【2026.06.30|無料会員】売上を伸ばす前に、抱え続ける仕事を減らせているか。
マイクロソフトAI逆風/AI投資と資金調達/ベライゾン・BT事業統合/BAT人員削減/円162円接近/ホルムズ通航減少から、残す仕事と切り離す仕事を整理する
【羅針堂ラウンジ|平日無料版】
おはようございます。
今日は6月30日、火曜日です。
月末ですね。そして今日で2026年の半分が過ぎようとしています。
変わらず日課のルーティンからスタート。
窓を開けて空気を入れ替えて、洗顔、歯磨き、軽くストレッチ。
コーヒーをお供に、頭を起こしながらニュースを整理します。
【今日の一言結論】
『伸ばす判断の前に、抱え続ける仕事を減らす』
【何が起きているか】
今朝のニュースを整理します。
まず、マイクロソフトの株価が大きく下がっています。
マイクロソフトは、Word、Excel、Teams、Azureなどで知られる巨大IT企業です。
AIにもかなり大きなお金を投じています。
ただ、今は2つの不安が出ています。
一つは、
AIにお金をかけすぎて、きちんと利益に戻るのか。
もう一つは、
AIによって、これまでのソフトが古く見られるのではないか。
つまり、
「AIをやっているから安心」
ではなく、
AIに投資するほど、
今までの稼ぎ方も見直される。
そういう段階に入っているということです。
次に、AI投資のお金の集め方にも警戒が出ています。
AIを動かすには、
データセンター、半導体、電力、人材が必要です。
データセンターというのは、
AIを動かすための大きなコンピューター施設です。
この施設を増やすには、かなり大きなお金がかかります。
そのため、テクノロジー企業は株式や債券で資金を集めています。
株式は、会社の持ち分を渡してお金を集める方法。
債券は、簡単に言えば会社がお金を借りる方法です。
ここで見られているのは、
「そこまでお金を集めて、本当に回収できるのか」
という点です。
AIが伸びる話の裏側では、
投資額と回収までの時間がかなり重くなっています。
一方で、大企業の中には、
広げすぎた事業を整理する動きも出ています。
アメリカのベライゾン(米国最大のシェアを誇る世界最大級の通信インフラ事業者)と、イギリスのBT(イギリス最大の通信事業者)は、
利益の薄い国際事業を切り離し、
それぞれ国内の主力事業に集中しようとしています。
つまり「事業統合」です。
簡単に言えば、
「全部を抱え続けず、重い部分を外に出して、本当に強い場所に集中する」
という動きです。
さらに、たばこ大手のBATは、
世界の従業員の約2割にあたる9000人を減らすと報じられています。
これも単なる人員削減の話ではありません。
大企業でも、
重い組織や複雑な仕事をそのまま抱え続けるのが難しくなっている。
そう見た方が近いです。
国内ニュースでは、円が1ドル162円に近づいています。
円の力が弱くなっているという事ですね。
海外のAIツール、SaaS、広告費、輸入商材、建材、機材。
こうしたものは、円安になるほど高くなりやすいです。
さらに、ホルムズ海峡では船の通行が減っています。
度々取り上げている「ホルムズ海峡」は、中東の原油や天然ガスが世界へ運ばれる重要な海の道です。
ここが不安定になると、ガソリン、配送費、電気代、材料費にも影響しやすくなります。
今日の前提をまとめると、
AIに投資している会社でも、回収を厳しく見られている。
大企業でも、利益の薄い事業を抱え続けない動きが出ている。
人や組織を軽くする判断も増えている。
円安と物流不安で、外部コストは軽くなっていない。
だから今日は、
「売上を伸ばす前に、抱え続ける仕事を減らせているか」
ここを見たいです。
【なぜ自分事か】
経営では、
売上を伸ばすことに意識が向きやすいです。
もっと集客する。
もっと発信する。
もっと商品を増やす。
もっとAIを使う。
もっと外注する。
もっと高単価を作る。
もっと相談件数を増やす。
どれも大事です。
否定はないです。
ただ、伸ばす前に見たいことがあります。
今の事業の中に、
抱え続けているわりに、利益に残っていない仕事はないか。
士業・コンサル系
・毎回個別に作り直している資料
・契約範囲を超えた相談対応
・無料で続けているチャット返信
・単価に含まれていない調査
・顧客ごとに増え続ける確認作業
・AIで下書きは増えたが、代表確認だけ増えている仕事
こうしたものが積み重なると、
売上は立っているのに、時間が残りません。
サロン・クリニック・実店舗系
・予約変更への細かい対応
・毎回ゼロから作るキャンペーン文
・利益の薄いメニュー
・商材費が上がっているのに据え置いている価格
・LINE返信やSNS対応の抱え込み
・来店後フォローが属人的になっている状態
一つひとつは親切でも、
全部を抱え続けると、現場が疲れます。
建築・工務店・空間デザイン系
・何度も続く見積もり修正
・仕様変更の無料対応
・外注先との調整
・納期説明
・建材や輸送費の変動
・顧客への説明資料作成
ここが曖昧なまま受け続けると、
受注した時は売上に見えても、
終わった後に利益が薄くなります。
「やる気があるか」ではありません。
むしろ逆で、
やる気がある人ほど、
仕事を抱えすぎます。
顧客のために。
紹介だから。
長い付き合いだから。
今だけだから。
断ると悪いから。
そうやって、
本当は切り分けるべき仕事まで抱え続けてしまう。
大企業が、低採算事業や重い組織を見直している時に、
中小企業・小規模事業が見るべきなのは、
『自社は何を抱え続けないか』です。
【今日の判断視点】
今日見るのは、3つです。
1つ目は、「利益に残っていない仕事」
今月やった仕事を一つ選んでください。
売上にはなった。
でも、思ったより時間がかかった。
顧客対応が長引いた。
修正が多かった。
確認が代表に戻ってきた。
外注管理が重かった。
利益が残った感覚が薄い。
そういう仕事です。
見るべきなのは、
売上金額だけではありません。
・何時間かかったか。
・誰が確認したか。
・追加対応はあったか。
・次も同じ条件で受けたいか。
・本当に利益に残ったか。
ここです。
2つ目は、「抱え続ける理由」
利益が薄い仕事だからといって、
すぐにやめる必要はありません。
入口商品として必要なもの。
紹介につながるもの。
既存顧客との関係を保つもの。
将来の高単価につながるもの。
経験値を積むために残すもの。
こうした理由があるなら、残してもいいです。
ただし、
なんとなく続けている。
断りにくいから残している。
昔からやっているから残している。
誰も見直していないから残っている。
この状態なら、一度整理した方がいいです。
大事なのは、
残す理由があるかどうかです。
3つ目は、「切り離し方」
やめる、というと極端に聞こえます。
でも、切り離す方法は一つではありません。
・別料金にする。
・対応範囲を明記する。
・回数を決める。
・テンプレ化する。
・AIに下書きを任せる。
・外注に渡す。
・納期を長めに取る。
・上位プランだけに含める。
・初回だけ無料にする。
・次回から条件を変える。
など、いきなり捨てる必要はないです。
まずは、
抱え続けていたものに境目を作る。
これだけでも、事業は少し軽くなります。
【今日の羅針盤】
伸ばす前に、抱え続ける仕事を減らす。
売上を伸ばすことは大事です。
集客も、発信も、AI活用も、投資も必要です。
ただ、今ある仕事の中に、
利益に残らないもの、
代表に戻ってくるもの、
説明が増え続けるもの、
顧客対応が長引くものが多いままだと、
伸ばすほど重くなります。
今日見るのは、判断すべきなのは、
新しい施策ではありません。
今ある仕事の中で、
残すもの。
条件を変えるもの。
切り離すもの。
この3つです。
【余白】
今日は、今月やった仕事を一つだけ選んで、こう問いかけてみてください。
「これは、次も同じ条件で受けたい仕事か」
受けたいなら、残す。
受けたいけれど重いなら、条件を変える。
できれば受けたくないなら、切り離し方を考える。
大きな改革は必要ありません。
ただ、抱え続ける仕事を一つ減らすだけで、
判断は少し軽くなります。
売上を伸ばす前に、
仕事の重さを整える。
そこからでいいと思います。
では、また明日。
【今日の記事を読んで】
「本当は色々整理したいけど、忙しくて立ち止まれない」
「自分と同じ視座で、全体戦略を見られる人材がいない」
など、一度整理したい方は、
羅針堂の考え方をWebにまとめていますのでご覧ください。
羅針堂|経営者の判断を支える参謀役。
▶︎▷ HPを見る
2026年の半分が終わろうとしています。
皆さんにとって、上半期はあっという間でしたか?
小さな変化というのは、忙しい日常の中では流れていきます。
経営者にとって一番怖いのは、
その小さな変化に気づけなくなることだと思います。
そして、
判断を間違えることよりも、
『何を根拠に判断しているのか、自分でも見えなくなること』
に疲れてしまいます。
情報を早く知ることよりも、自分の事業にどう届くかを見ること。
その積み重ねが、判断の質を変えていくと考えています。
まずは、必ずこなせる小さな習慣を取り入れる。
それだけでも意思決定の質は少しづつ高くなっていくはずです。
私は普段、経営者の参謀役をしています。
派手な施策ではなく、
判断と構造を整理する立場で専属伴走しています。
あなたの意思決定が少しでも確かになれば幸いです。
-羅針堂

